疲労について 後編

さっそく後編に。

 
栄養ドリンクでは疲労をごまかすことはできても、回復することはできない
では、いったいどのような成分が疲れに効くのか!?

 
前編で書いた、医師である梶本先生は科学的医学的な検証をされています。

 
簡単にどのような研究がされたか書きますと…
2003年に大阪市立大学、大阪市、食品メーカーや医薬品メーカーなど18社と総合医科学研究所が「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」をスタートさせました。
その目的を端的に言うと、疲労を「みえる化」したうえで「疲労が軽減する食成分」を探そうという試みです。

これまでに医薬界や社会的に疲労回復に効果があるとされていた23種類の食品中に含まれる成分の効果を評価しました。

その23種類の成分には、ビタミンC、クエン酸、コエンザイムQ10、カルニチン、アップルフェノン、カフェインなどがあります。
皆さんも、聞いたことのある名前ですよね。

 

これらの「疲労回復に効果ありそうだよね」っていう23種類の成分の中で、実際にもっとも効果的だというエビデンス(根拠)が得られたのは…

 
そう、イミダゾールジペプチドです!!

……

いや、知らないし。

初耳だし。

舌噛みそうだし。

恥ずかしながら、私も本を読んだのが半年くらい前ですが、それまで知りませんでした。
通称「イミダペプチド」という成分ですが、少し説明します。

 

と、その前に一言…

疲労を引き起こす原因となるのは、活性酸素による酸化ストレスなのです。
ですので、
酸化ストレスを軽減する=疲労を軽減する

だと知っておいてください。

 

戻りまして、
イミダペプチドは“イミダゾール基を有するアミノ酸結合体の総称”
一言でいうと、アミノ酸です。

 

摂取したイミダペプチドは、消化されて小腸から体内に吸収されます。
すると、血液中や肝臓で「ヒスチジン」と「βアラニン」という2種類のアミノ酸に分解されます。

この2種類が凄いヤツでして、骨格筋や脳の組織に運ばれると、
分解されたはずの2つのアミノ酸は再合成して、
そこで再び「イミダペプチド」になるという特性があります。

 

骨格筋や脳は日頃の活動により活性酸素が発生しやすく、疲労しやすい部位ですが、
イミダペプチドはその骨格筋や脳で再合成されるので、
まさにいま疲労を起こしている現場で、抗酸化作用を発揮します。

 

「ヒスチジン」も「βアラニン」も、単独では抗酸化作用をもっていなくて、
再合成し「イミダペプチド」となって初めて抗酸化作用を発現するという
おもしろい仕組みになっています。

ですので、疲労を感じている箇所にピンポイントで効くということなんですね。

 

 

さぁ 皆さん、そろそろイヤになっている頃でしょう(笑)

 
「イミダペプチドが疲労回復させる成分なのはわかったよ!
じゃあ そのイミダペプチドはいったい何に入っているんだ!?
何を食べたらいいんだ!? サプリなのか!? 早く言え!」

わかっております、お待たせしました。

発表します…

 

それは、鶏肉です!

特に、胸肉(むねにく)!!

 

鶏の胸肉にイミダペプチドは、多く含まれていることが研究で明らかになりました。

おっ 意外とお手軽!しかも胸なら安いし!とホッとしますよね。

ということで、次回はもう少し詳しく書いていきます。

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