疲労について 前編

ちょっと忙しくなってきたため、ご無沙汰になっていました。
しばらく書かないと
「あれ ブログが更新されていない」と、
チェックの厳しい人がいるので、書かずにはいられない(笑)

 
さて、今日は暖かくて春らしい天気でしたね。
ただし、お仕事されている方にとって3月・4月はとても忙しい時期であり、
環境がガラっと変わる方もおられて、何かと「疲れる」時期でもあります。

 
毎週日曜日に来られる患者さんも、3月からずっと忙しく、寝不足が続いています。
なんでも一年でも忙しい時期で、その患者さんだけではなく、社内全員が満身創痍だとか…。
今日は「隣のデスクの同僚が、毎日栄養ドリンク飲んで眠気と闘っていますよ」
という話しを聞きました。

 
このブログを読まれている方の中にも当てはまる方がいるかもしれませんね。
いきなりですが、実は栄養ドリンクやエナジードリンクには疲労回復の効果は望めません。
それどころか、疲れが蓄積されていく恐れがあります。

栄養ドリンクは、疲れたときの栄養補給を目的としたドリンク剤としてうたわれ、
ビタミン、アミノ酸、生薬、漢方由来成分などが配合されています。

そもそも栄養ドリンクは、いまから半世紀ほど前、日本がまだ貧しくて人々が栄養不足だった時代、ビタミンB¹の欠乏で生じる脚気(かっけ)の改善に、ビタミンB¹を配合したドリンクが役立ったことに端を発しています。
飽食の時代となった現在では、わざわざ栄養ドリンクでビタミンB¹を補給する必要はありません。

 

ちなみに日本でもっとも売れている栄養ドリンクの一つには、タウリンが多く配合されています。
タウリンは胆汁酸の分泌を促すなど、肝臓に働きかける作用が知られていますが、
疲労を軽減するという根拠は残念ながらないのです。
「めっちゃタウリン入っています!!」と、書かれていると、
何となく疲労にも良さそうな感じですけどね。

 
さらに栄養ドリンクには、カフェインと微量のアルコールが配合されていることが多いのですが、カフェインには覚醒作用があり、アルコールには気分を高揚させる働きがあります。

 
ですので、カフェインやアルコールの作用により、疲労が軽くなったように感じることはあるでしょうが、実質疲労を回復させているわけではないのです。

患者さんが言っていたように、一時的な眠気覚ましには良いかもしれませんが、
日々の疲労は確実に蓄積していきますので、栄養ドリンクやエナジードリンクの多用は
医学的にみた場合、おススメできないいうことですね。

 

じゃあ、いったい私は明日から、どーしたらいいんだ!?
実際、疲労を回復させる食物はないのか!?

そう思いますよね。

そんな疑問に答えるため
疲労医学を専門にされていて、東京疲労・睡眠クリニック院長である
梶本 修身 先生が研究をされているので、ここで紹介させていただきたいと思います。

 
が、これ以上は長くなるので、続きは後編で。

 

終わる前に、
そもそも何をもって疲労と呼ぶのか、
日本疲労学会では
「一般に運動や労力などの身体作業(運動)負荷あるいはデスクワークなどの精神作業負荷を連続して与えられたときにみられる、身体的あるいは精神的パフォーマンス(作業効率)の低下現象」と定義されています。

何だかわかりにくいですね。
簡単に言うと“本来の能力を発揮できない状態”でしょうか。

具体的には
思考力が低下する、刺激に対する反応が鈍る、注意散漫になる、動作が緩慢
目がかすむ、頭痛がする、肩こり、腰が痛いなどの症状もそれにあたります。

 

皆さん誰もが経験されているはず。

「私、疲労たまってんなぁ~」と感じる方、
後半も読んでいただけると幸いです。

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