胚の評価について

今日から巷は三連休ですね。

 

ホームページを見てもらえればわかるように、当院は不妊治療をされている患者さんが多いので、

日々どのような話題が多いのか、皆様がどのような疑問をもたれているのか

そんな「患者さんのリアルな声」を中心に書いていこうと思います。

 

妊娠において、何が一番大事かと聞かれればやはり「卵子の質」ということになってしまうでしょう。

体外受精をされている患者さんが最も気にされているのも、

卵子が順調に育つか、いくつ卵子が採卵できるか、受精した後に胚盤胞になるか、胚盤胞にはなったが果たしてグレードはどうなのか…というように、妊娠できるかどうかの大きな分かれ道になるのが卵子の問題。

もし採卵の後、複数の胚ができた場合、どの胚を移植するかを決めるわけですが、

決める方法で現在一般的なのは

①見た目、成長の様子など外見で判断する方法②胚に染色体異常がないかを調べるPGT-Aという方法

現状主流なのは、外見で判断してグレードを評価する方法ですね。

これは初期胚と胚盤胞でも評価法は異なります。

ただ、いずれも培養士が目視で評価するので、どの培養士の方々でも同じように評価ができるようになるには相当大変なのでしょう。

 

さて、もちろん患者さんとしてはグレードの良い胚になって欲しい!と願うわけですが、必ずしも評価が高い胚が出産までいけるとは限らず、グレードの低かった胚で出産に至るケースは珍しいわけではありません。

例えば、複数個の胚盤胞が凍結できたとして、グレードの良い胚から移植していくのがセオリーだと思いますが、仮に一回目の移植した胚で妊娠できなかったとなると…

患者さんとしては「一番良かったやつ移植したのに妊娠できなかったんだから、残りの胚盤胞で妊娠することなんてないんじゃないの?あーーっ もうだめだ、また採卵からだー!」と不安になりますよね(そこまでは思わないでしょうか)

理屈的には間違ってはいないし、心配するのも至極当然。当院でもよくそういう会話をしています。

 

しかし、残り1個の凍結胚盤胞、グレードも最初に移植したやつより劣っている…そのような胚を移植して出産まで至る、ということは実際あります。一つの鍼灸院でも見られるのですから、不妊治療クリニック内では珍しくないのだろうと推察できます。

そもそも胚盤胞まで育ち、さらに凍結できたということは各クリニックの基準をクリアしたということですから、希望はあるということですね。

 

私は「おち夢クリニック」内で鍼をしていることもあり、そちらの患者さんが多いので例として挙げますが

皆さん、「胚盤胞凍結できたけどグレードB(-)」だったと落ち込んでいる方がよくおられます。

しかし、「出産まで至る多くの方がグレードB(-)である」と培養士の方から説明されているのではないでしょうか。

なんかマイナスと付いていると、あまり良くないイメージを持たれるかもしれませんが、全然悪くないってことです。当院の患者さんも出産までいっている方のほとんどB(-)でしょう。

さらに言ってしまえば、私8年ほどおち夢クリニック内で鍼をしていますし、開業してからの約10年を振り返っても…グレードAは聞いたことありません。グレードB(+)は数人いたかな、10年で数人です。

もちろんクリニック内の治療されている患者さんの中にはAの方おられますよ!

前提として、鍼灸に通われる患者さんは「そもそもなかなか妊娠できていないから、鍼やってみよう」と思うわけですから、グレードAの方に遭遇しないのは当たり前ですね。

 

あと、これも意外に心配されている方がいますが

胚のグレードと産まれてくる子供の健康状態や身体能力に関係するか、ということ。

言うまでもなく関係ないですよね(遺伝子と健康や身体能力、知能は関係ありますが)

良いグレードから産まれる人間は、犯罪を犯さないでしょうか

低いとされたグレードの場合はスポーツ選手になれないでしょうか

そんなはずはないですね。初期発生の細胞の形で、どのような「人」が育つかなどわかるわけありません。

 

思い立ったが吉日です、まずは動きましょう。今日が一番若い日です(^^)/

 

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