腰痛ガイドライン

春分の日ですね
皆さん、ゆっくり休めているでしょうか
暖かいのは良いですが、私は花粉の脅威に少しずつやられています…

 

さて、

先日、当院の患者さんから
「腰痛に鍼灸をおススメしている記事が新聞にのってるよ」
と教えてもらい、わざわざメールで送ってくれました。
“朝日新聞デジタル”というネットで読むやつですね。
書かれているのは、
1ヶ月前の2月14日にアメリカの内科学会が公表した
腰痛治療に関するガイドラインについて。
そのガイドラインでは、腰痛治療に関して3つの推奨(Recommendation)を挙げています。

記事をそのまま引用すると…

推奨①:
急性または亜急性の腰痛を有する患者の大部分が治療に関係なく時間の経過とともに改善することを考えると、臨床医および患者は、浅部の温熱療法、マッサージ、鍼治療、脊椎マニピュレーションによる非薬物治療を選択すべきである。
もし、薬物治療を希望する場合、非ステロイド系抗炎症薬または筋弛緩薬を選択すべきである。

 

推奨②:
慢性腰痛に対して、臨床医および患者は、運動、集学的リハビリ、鍼治療、マインドフルネスベースのストレス軽減、太極拳、ヨガ、モーターコントロールエクササイズ、漸進的リラクゼーション、筋電図バイオフィードバック、低出力レーザー治療、オペラント療法、認知行動療法、脊椎マニピュレーションによる非薬物治療をまずは選択すべきである。

 

推奨③:
慢性腰痛患者で非薬物治療による効果が不十分であった場合、
臨床医および患者は、非ステロイド性抗炎症薬による薬物治療を第一選択薬、そしてトラマドールまたはデュロキセチンを第二選択薬として考慮する。

とのことです。
ちなみにトラマドールとデュロキセチンは鎮痛剤、
デュロキセチンはうつ病の治療薬としても使われます。

 

ただし、この米国内科学会の腰痛ガイドラインですが、
鍼治療の効果を評価する際に対象となった臨床試験の報告論文は、海外、特に中国で行われたものが多いようです。

 

 

簡単にまとめると

腰痛で困っている患者さんがいたら、
いきなり薬を出すよりも、まずは鍼やマッサージをしたり、ヨガや太極拳で体を動かすことを勧めますよ。痛みのストレスを軽減するために瞑想したりリラックスも大事です。
もし、それでも腰痛が改善しなかったときは、お医者さんと相談の上、薬物治療を出してもらいましょう。

っていう流れをガイドラインで決めたわけですね。

 

 

私たち、鍼灸師からしたら、当然だろ!という気がしますが、

この記事を書かれた先生は
「まずは薬剤を用いない治療法(非薬物治療)を試すことが推奨されていることに驚きを感じました」

とあるので、一般的には当たり前ではないのでしょうね。

 

 

ちなみに教えてくれた患者さんも腰椎の椎間板ヘルニアがあり、
手術はうまくいったものの腰・下肢の痛みや痺れが、なかなかとれず当院に来院されました。

今ではプールに行くなど運動のかいがあり、とっても改善され喜んでいるので、私もとっても嬉しいです。

こう書くと、「手術する必要なかったんじゃない!?鍼だけしていれば良いの?」と思うかもしれませんが、決してそうではありませんし、

ましてや「どーだ俺の鍼は何でも治しちゃうんだぜ~ すごいだろ」というわけではない。

 

手術が必要な場合は当然あります。ただ、手術して、例え飛び出たヘルニアを取り除いたとしても、腰やお尻、下肢の筋肉が固いままでは、痛みはなかなか改善しません(全身のバランスや精神的な問題もあります)

ですから、先ほどのガイドラインでもありますように、
鍼灸治療で血流を良くして、身体を柔らかくすることが大事ですし、
何かしら治療を受けるだけでなく、自分で身体を動かして欲しいのです。

ヨガも良いし、ストレッチでもウォーキングでも何でも構いません。
激しくなくていいですから、少しでも良いので運動していただけると、
身体は必ず変わります!鍼灸治療の効果も高まりますからね。

 

妊娠を望んでいる方も一緒です。
外から“受ける”だけではなく、“自ら動く”ことをしていただけると、
より妊娠に近づけますよ(^_^)
「血」も「気」も滞らせずに、流しましょう!

 

ということで、天気も良いし、私も歩いてこよっと。
最近はスロージョギングがよいと立ち読みしたので、実践しています。

 

 

最近、やたらとこの格好で寝るメイちゃん

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