副腎髄質と戦闘モード

今日から立春。
インフルエンザ大流行みたいですから、気をつけましょう。

 
さて、
前回、副腎「皮質」について書いたのですから、やはり「髄質」の方にも触れないと、何とも気持ちが悪い。
ということで、今日は副腎髄質について浅く。

 
まず、どーでもいい情報から。
副腎の存在がはじめて認められたのは、16世紀半ば。
当時の記録には
「液体の入った小さい袋が腎臓の上に乗っている」と記録されているらしいです。

副腎は外側を包む「皮質」と、内側の「髄質」の二つの部分からできていると前回書きましたが、
髄質は死後、融解しやすいため、死後数日を経て、秘密に人体解剖をしていた当時では、
むりもない誤りであった、とか。

 
副腎髄質は、交感神経系の一部が内分泌器官に変身したものです。
ですので、交感神経系のボスである脳の視床下部から延髄の分泌中枢、さらに脊髄の下位中枢を経て副腎に伝わるという命令系統によって、その働きが統制されています。
副腎髄質が活動をはじめると、そこからアドレナリンとノルアドレナリンが血液中に送り出されます。
アドレナリンとノルアドレナリンは兄弟のようなもので、作用する場所によって力の強さは異なりますが、働きはほぼ等しい。

 

これらの物質が血液中に出てくると、交感神経系が活動したときと同じことがカラダに起こります。
皮膚や腹部内臓の細動脈や毛細血管を強く収縮させて血圧をあげ、
瞳孔は大きくひらき、脈は速く打ち、心臓や筋肉への血液の供給が盛んになります。

簡単に言うと「戦闘態勢」の状態になるわけですね。
ストレスに直面している、とも言えます。

 
細かいことをいうと、
夜道で突然襲われたとか、急に車が飛び出してきたなど「肉体的ストレスを感じる」とアドレナリンが多く分泌され、
大事な仕事の商談前とか、上司からパワハラを受けたなど「精神的ストレスを感じる」とノルアドレナリンが多く分泌されます。

 
ちなみに、「怒髪天をつく」という言葉があります。
激しく怒り、髪の毛が逆立ち、天をつき上げる様子を表しますが、
たしかに立毛筋はアドレナリンの作用で収縮し、毛を立てますので、
一応、理にかなっているんですね。

他にも
筋肉の緊張が高まり過ぎて、武者ぶるいしたり、
冷や汗が出るのもアドレナリンの作用です。

 
アドレナリンは、血液中に出るとすぐに分解されるため、あまりその効果は持続しません。
大事な勝負の前に、副腎を働かせすぎると疲れてしまい、いざ本番!というときに力が出せないかもしれません。
はやる気持ちを抑え、副腎をうまくコントロールし、アドレナリンを終始、過不足なく分泌させていくことで、勝機を見いだしましょう!

また

アドレナリンは若々しく、艶のある美肌にも欠かせないホルモンですので、
日頃から良い意味でのドキドキや緊張感、ときめくような時間を大事にしてはいかがでしょうか。

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