塩竈神社へ

名古屋で安産祈願といえば、ご存じ「塩竈(しおがま)神社」。

妊婦の患者さんが数人おられるのと、友人も出産を間近に控えていたので、
先ほど初参拝して来ました。

なかなか急な坂の上にあります。
折り畳み自転車で行ったことを後悔しかけたのですが、
そこは自転車で正解でした。
神社に着くと、予想以上の混み具合で駐車場は満車(自転車で来た人は一人もいませんでしたが)
しかし思ったより、ずいぶん小じんまりとした神社でしたね。

さすが名古屋に住む妊婦さんの聖地(?)。
以前行った、東京の「水天宮」を思い出しました。

 
安産を願うお腹の大きな妊婦さんから、
生まれたばかりの赤ちゃんを連れて、無事出産した御礼に参拝される方、
その付き添いに来るご両親。
境内は、なんとも幸せな空気に包まれており、思わずこちらも幸せな気持ちになります。

数名の患者さんと、友人の顔を思い浮かべ、
「お願いします!!」と祈願し、帰って来ました。

 

んー
私が塩竈神社に行っただけの報告では、いささか物足りないので、もう一つ。

産婦人科を開業されながら、昭和の時代では珍しく漢方や鍼灸部門も併設されていた石野 信安医師。産婦人科医として世界で初めて、三陰交のお灸で逆子が治ることを学会発表された偉大な先生です。
「三陰交」は、生殖器や泌尿器、消化器、水分代謝、血の巡り、生命エネルギーに関係する足の3つの経絡が交わったツボで、女性の養生穴とされています。

今では、逆子や婦人科疾患の治療といえば三陰交が当たり前になり、患者さんでさえも、多くの方がこのツボの名前を知っています。
しかし、昔は妊婦の三陰交へのお灸はタブーとされていました。もちろん現在でも深く鍼を刺したり、粗暴な手技は妊婦に限らずするべきではありません

 
石野先生は、
妊婦の三陰交へのお灸が、母体と胎児に優れた効果があること、そして女性全般の病気の治療に有効であることを臨床によって証明しました。

「三陰交というツボは、終戦後すぐに私が、そこのお灸をすえて、胎児の逆子を治したのがきっかけで使うようになりました。その後、ここにお灸をすえると安産になり、さらに生まれた子供が丈夫に育つと気づきました。」
(『女性の一生と漢方』石野信安著より)

 

近年さまざまな研究により、

少しずつ鍼灸治療はEBM(evidence-based medicine「根拠に基づいた医療」)だとわかってきました。

そんな中、「理」を追求すべき鍼灸師が、塩竈神社に「神頼み」とはアリでしょうか?(笑)
いやいや、無事に出産できるのなら、いかなる手段をもってしても!
そう自分に言い聞かせて帰って来ました。

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