甲状腺について 2の巻き

前回の続きです。
たくさん書くことあるので、さっさと本題に入ります。
甲状腺の病気は、甲状腺ホルモンが多すぎる、または少なすぎたりしてなる、と書きました。
甲状腺ホルモンが増えて、その働きが過剰になることを
「甲状腺機能亢進症」といいます。
甲状腺機能亢進症の疾患として有名なのが、バセドウ病。
皆さんも名前は聞いたことがあるかもしれませんね。

 

逆に甲状腺ホルモンが不足している状態を
「甲状腺機能低下症」といって、
その疾患として有名なのが、慢性甲状腺炎。別名、橋本病です。

 

 

まずは甲状腺機能“亢進症”の方からいきましょう。
しつこいですが、甲状腺がホルモンを作り過ぎている場合を
甲状腺機能亢進症といいます。が、これは病名ではなく
「甲状腺の機能が活発になっているよ」という状態なんですね。
で、その甲状腺機能を亢進させる原因となる病気がいろいろあるわけですが、
その代表がバセドウ病ということです。

日本ではほとんどバセドウ病が原因だといわれていますので、
ここでは他の疾患には触れずにいきます。

ちなみに
甲状腺ホルモンが過剰になる病気が異なっていても(バセドウ病以外でも)、
現れる症状はほぼ一緒です。

 

疲れやすい、体重が減る、暑がりになる、汗をかく、動機、息切れ、ふるえ、下痢、
イライラ、筋力低下、過少月経など。

 

では、どうしてバセドウ病になってしまうのか

その理由は20世紀後半になってようやく、解明されてきました。

体の中には頻繁にウイルスが入りますね。
生体はウイルスに対する抗体を作って、身を守ります。
抗体はウイルスの姿を覚えているので、同じ姿のウイルスが入ってくると攻撃して、
身を守ります。
抗体は、自分の庭に放った「侵入者撃退ロボット」みたいなものです。

普段は優秀なロボも、たまーに誤作動を起こします。
本来はご主人様を守るはずなのに、間違ってご主人様を攻撃してしまうんですね。

 

甲状腺には「スイッチ」があって、このスイッチがONになると、
甲状腺は活発に働きます。
通常は甲状腺刺激ホルモン(TSH)が、このスイッチを適度に刺激するのですが、
誤作動を起こした抗体はウイルスと間違えて、このスイッチをガンガン刺激してしまいます。
その結果、甲状腺が働き過ぎて、過剰にホルモンを産生してしまう。
これがバセドウ病を起こす原因です。

 

さて、

甲状腺の病気と聞くと、皆さんイメージするのが
“首やのどが腫れる”と“目が飛び出る”かもしれません。

 

確かにバセドウ病の代表的な症状で、首やのどが腫れてきます。

それも抗体が外敵と間違えて甲状腺のスイッチを押してしまうからです。
そのため甲状腺は必要以上に働かされて、
「もう無理!」となり、腫れという症状が出てきます。

のどや首が腫れたら、息苦しくなったり、食事のときに気になるんじゃないの!?
と思うかもしれませんが、
腫れのせいで食事がとれないなど、「腫れ」で生活に支障が出ることはまずありません。
「めっちゃ腫れてるし!」とわかりやすく大きく腫れる場合もあれば、
まったく目立たない場合もあります。

腫れの大きさとバセドウ病の重症度は、ある程度関係があるようです。

 

 

もう一つの「目が飛び出てくる」とは、いったいどういうことなのか

 

眼球突出もバセドウ病の症状の一つですが、
目が飛び出るなど、目の症状をまとめて「バセドウ眼症」といいます。

なぜ目が飛び出てくるかというと、
眼球を動かす筋肉や眼球の後ろにある脂肪組織が大きく腫れるために、
眼球が前に押し出されます。

しかし、治療が必要なほどのバセドウ眼症は
バセドウ病患者全体の5%程度にしか見られないそうです。

日本人は欧米人と比べると、たとえバセドウ眼症になっても、
その目の飛び出し具合は軽い傾向にあるといわれています。

つまり、多くの人は目に明らかな症状がないか、
治療の必要がない程度の眼症ということですね。

まれに血液中の甲状腺ホルモン値は異常ないのに目だけに症状が出る人もいるようです。

バセドウ眼症は甲状腺機能亢進症の治療をしても治らず、
治療にはステロイドや放射線を使用します。

ただし、多くは外見上の問題だけなので、見え方に影響がない場合は、
美容整形で外見だけを整えることが多いようです。

ちなみにタバコを吸っている人は、バセドウ眼症になりやすいといわれているので、
バセドウ病とわかった時点で禁煙したほうが良いかもしれませんね。

 

 

ということで、

最初の方で書きました全身症状や

首やのどの腫れ、眼の症状
など、さまざまな症状があります。

バセドウ病だけでも、まだまだ書くことありまっせ…
皆さま、ご覚悟していただきとうございます

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