甲状腺について

暖かくなってきましたね
私は最近また「歩く」習慣が復活してきました。
気持ちが良くておススメですよ。

 

 

さて、
不妊治療をされている患者さんの中で、けっこう多く遭遇するのが甲状腺疾患をもたれている方。

当院でも、薬を飲むほどではないという方から、不妊治療と並行して甲状腺疾患の薬を飲まれている方も少なくありません。
甲状腺機能異常をきたす、バセドウ病、無痛性甲状腺炎、慢性甲状腺炎の発症は20~30歳代の女性でピークとなります。
妊娠を希望する女性の多くがこの年代に該当し、その結果、不妊症に悩む女性における甲状腺機能異常は無視することができない問題の一つになってきます。

 

甲状腺の病気は圧倒的に女性に多いので、
もちろん不妊治療をされている方に限らず、女性の皆さんは知っていて損はないかと思います。

 
とはいえ、
「甲状腺」という名前はよく聞くが、何なのか知らない人も多いので、基本的なことから少しずつ書いていこうかと思います。
そういう私も詳しくないので書きながら勉強です。

 
そもそも甲状腺とは何でしょう

 

甲状腺は胃や肺、心臓などと同じ臓器の名前。
ちょうどノドの中央あたりにあって、蝶ネクタイのような形をしています。
男性ののどの真ん中には「のど仏」がありますが、16世紀の医者がこの「のど仏」にあたる軟骨を「たてのような軟骨」と例えました。

そこから、のど仏には「甲状軟骨」という名前がつき、その後、甲状軟骨の下に覆いかぶさるようにある柔らかい臓器を見つけ、これを「甲状腺」と名付けたのです。
19世紀末に首にできたしこりの治療として、甲状腺を切り取ったところ、甲状腺を失った人間や動物は病気なってしまうことがわかりました。
そして、それらの人や動物に、動物の甲状腺を乾燥させて作った粉末を食べさせると、再び元気になったのです。

 

そこから、甲状腺は身体にとって、何か大切なものが分泌されているのは!?
と考えられるようになり、その後の研究により甲状腺ではホルモンが作られ、分泌していることわかりました。
現在およそ100種類のホルモンの存在が確認されていますが、今でも次々と新しいホルモンが発見されています。
ホルモンは甲状腺や副甲状腺、副腎、卵巣、精巣、すい臓など全身のさまざまな場所で作られ、それぞれ違う働きをしています。

それぞれのホルモンの分泌量はわずかですが、ホルモンを分泌する臓器が病気になって、分泌量が減ったり、過剰に増えたりすると、身体には大きな影響がでるわけです。

 

 

では、甲状腺から出るホルモンは、どんなものなのか

 

甲状腺から出ている主なホルモンは「サイロキシン」。
サイロキシンは血液によって全身に運ばれ、運ばれた先で、「トリヨードサイロニン」いうホルモンに変換されます。
名前も長いので、普通は「甲状腺ホルモン」と呼ばれています。

 
どんな働きをするのかというと、
「代謝」をコントロールする働きをもちます。
代謝というのは、簡単に言うと、食事でとった栄養素を体が利用しやすい形に分解したり、合成したりして、生命維持を助けることです。

 

 
この甲状腺ホルモンの作用を、わかりやすく例えると…
「自動車のアクセル」でしょうか。

 

アクセルを踏むと、燃焼するガソリンが増えて、車の走るスピードは速くなります。
甲状腺ホルモンの分泌量が増えるということは、アクセルをグッと踏み込んだような状態。
すると、身体の消費するエネルギー量が増えるので、全身の代謝も高まります。

 
その結果、身体のいろんな働きがスピードアップします。
「スピードアップならいいじゃん」と思うかもしれませんが、正確に言えば、「アップし過ぎてしまう」ということなので、身体にはあまりよろしくないのです。

 

心臓なら、ちょっと運動しただけでもドキドキして、脈が速くなります。
腸でいうと、便の回数が増えたり、下痢になったりします。
エネルギーを消費する速度が速いので、体温が上がり、汗をよくかきます。

 

 

 

では、甲状腺ホルモンの分泌量が減るのはどうなのでしょう

 

甲状腺の働きが低下して、ホルモンの分泌量が減るということは、エネルギー消費が少なくなるということですから、代謝が低くなります。

その結果、いつも疲れる、だるい、眠いと感じたり、脈もゆっくりになります。

腸などの内臓の働きが低下するので、便秘にもなりやすい。
血液の循環も低下するので、寒がりの冷え性になることが多いです。

 

 

 
ということで、
甲状腺の病気は、甲状腺ホルモンが多すぎたり、少なすぎたりして起こります。

また、ホルモン値に変化はみられないのに、腫れやしこりなどの症状がでるものもあります。

 

 

 
こんな感じで少しずつ甲状腺について触れていこうかと思いますが、
このペースで書いていると、3月は甲状腺の話しだけが続くことに(笑)

よろしいでしょうか!?良くないですよね
しばらく続けて、「つまらんっ!!」という声があれば、やめましょう。
「私はネコだけで良いの!」という方、教えてください(笑)

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