小児鍼③
少しずつ涼しくなり、エアコンも必要なくなりましたね。
さて
久しぶりの更新になってしまいました。
前回に続き、小児鍼のお話し。
どこまで書いたんでしたっけ…
私達が触れ合ったり、気持ちの良いマッサージを受けているときには
オキシトシンというホルモンが分泌されている。
特に幼少期における母子の身体接触は、精神的安定をもたらすので、
たくさんお子さんとスキンシップをとってくださいね!
って感じでしょうか。
数週前から「小児鍼」をテーマに書き始めましたが、
そのきっかけであった当院に来院された生後5か月の患者さん
私が大変スローなペースで書いている間に、いつの間にか「かん虫」は改善され、
グズることなく夜は眠るし、昼寝もよくしてくれるようになりました。
ということで、一旦治療は終了。
小児鍼は、ちゃんと効果のあるものだと改めて感じました。
小児鍼は、大人にする鍼とは違い、体内に刺しません。皮膚への刺激を主体とします。
よって、全く痛くなく、衛生面の問題もありません。
安心・安全で、効果もある日本独自の鍼治療です。
名古屋の方はあまり小児鍼に馴染みがないかもしれませんが、
小児鍼は江戸時代から関西を中心に行われてきた歴史ある治療法で、
そのころの大阪市街の大半の小児は、当たり前のように小児鍼を受けていたようです。
対象年齢は、
生後数か月から12歳あたりまで。
一般的には3~4歳の患者さんが多いみたいです。
健康管理と病気の治療に大きく分けることができます。
健康管理には、かん虫(夜泣き・不機嫌・奇声・食欲不振・寝つきが悪いなど)いわゆる小児神経症が中心です。
病気の治療というのは、鼻炎・扁桃腺・咽頭炎・気管支喘息などの呼吸器疾患、
食欲不振・便秘・下痢など消化器疾患、
仮性近視・眼精疲労などの眼科疾患、
他にも夜尿症(おねしょ)、脳性麻痺などの難病にも効果があるとされています。
中には病気そのものにアプローチするというより、小児鍼をすることで、
よく眠る、よく食べる、便通があるなどQOL(生活の質)を高めることで、
結果的に病気も治るのではないかと個人的には感じます。
もちろんオキシトシンが分泌され、精神的に安定することも大きく関与しています。
最近では、幼稚園児や小学生からピアノや英語、塾など習い事をする児童は多いでしょうし、ゲームやスマホを使いこなす小学生も増えていると聞きます。
そのため、眼精疲労や肩こり、頭痛、チックなどが増えています。
また、子供だから気を遣わないとかストレスがないと思ったら、大間違いです。
家庭内で、学校で、塾で対人関係がうまくいかない子供達のことを耳にしますが、
小児鍼で有名な鍼灸院には、近年、自閉症や発達障害など精神的な症状で来院される患者が増えているそうです。
アスペルガー症候群のように学習能力はあるが対人関係がうまくいかない、自閉的のため学習効果が上がらない、落ち着きがなくじっとできない、そんな子供達に小児鍼をすることで、情緒不安が解消され、共同生活に慣れてゆくケースが報告されています。
時代とともに小児鍼を受ける理由は変化しているのかもしれません。
昔は、かん虫や消化器疾患がほとんどだったのが
最近では、精神的な症状を訴える子供が増えている…
江戸時代に小児鍼をされていた先生は、さぞ驚くでしょうね。
やっと具体的な鍼の話になってきました。
もう一回くらい小児鍼でいきます。