甲状腺について 3の巻
暖かくなってきたと思ったら、今日はまた寒かったですね。
しばらく“ブログ書く気しない期”でしたが、そうも言ってられません!
何人かの患者さんからは「私はネコでいいです」と言われましたが(笑)、
残念ながら今日は甲状腺の続きだっ!!
どこまで書きましたか…
甲状腺機能亢進症であるバセドウ病についてですね。
もう一度書きますが、
甲状腺ホルモンは、自動車のアクセルのような役割をするホルモンです。
ホルモンが過剰に分泌されると、全身すべての細胞でたくさんのガソリンを消費するといこうことですから、あらゆる機能がスピードアップします。
心臓の動きが速くなるので動悸や頻脈(脈が速い)を感じますが、
これらは首の腫れや眼球突出と並び、バセドウ病の患者さんがよく訴える症状です。
また不整脈のような状態になることも、よくあります。
腸の動きも速まるため排便の回数が増え、なかには消化管の働きが活発になり過ぎて、下痢気味になる方もいます。
カロリーを消費する速度も速いため、体温が上がり、
冬でもあまり寒く感じないでしょうし、夏は暑さをより強く感じてしまいます。
また、ガソリンを大量消費して身体の機能をスピードアップさせているということは、
いつもマラソンを走っているような状態です。
ですので、カロリーをたくさん消費しますから基本的に体重が落ちてしまいます。
「太らなくて羨ましい!」なんて思ってはいけません、
体力の消耗も激しいため疲れやすくなります。
そのままいくと体はどんどん痩せて、衰弱してしまうので、体は自ら「いかん!たくさん食べなければ!」という指令が出て、効率よくエネルギーを補給するために甘い物など高カロリーな食品を食べ過ぎてしまいます。
そのためバセドウ病の患者さんの中には、かえって体重が増えることがあります。
これは特に若い女性に多くみられる傾向があり、男性にはあまりないようです。
バセドウ病の症状は体だけではありません。
精神的な症状もあらわれます。
代謝が高まるので、神経がたかぶり、イライラしやすくなる傾向にあります。
気が短くなる、集中力がない、落ち着きがないなどもバセドウ病の症状です。
しかし、高齢の患者さんの場合、異常に亢進した体の新陳代謝についていけず、
うつや不安などの精神症状が多くみられます。
ということで、バセドウ病の症状は性別や年代で違うことがあり、場合によっては同じバセドウ病でも反対の症状があらわれたりします。
若い女性の場合は、食欲が増進したり、甘い物やこってりしたものが食べたくなって、太る傾向に。
また精神面では、ハイになるので怒りやすかったり、情緒不安定になりやすい。
一方、高齢の方では、食欲は低下し、どんどん痩せてしまうことが多く、
精神面では、うつっぽい状態になりやすい。
年をとれば、一般的には活動量は低下しがちで、心臓の病気や高血圧などの生活習慣病が増えてきます。
そのため、バセドウ病のせいで出ている活動量の低下、動機、不整脈などを見落としてしまうことがあります。
バセドウ病は子供でもなります。大人のような身体的症状よりも、
「急に落ち着きがなくなった」とか「勉強に集中できない」など、性格や行動の変化で見つけられることが多いようです。
幼い子供の甲状腺はまだ成熟していないので、超音波検査などを行うと、さまざまな影が写ることがよくありますが、成長とともに消えるものも多いので、明らかに悪性を疑う所見がなければ、そのまま様子を見ることが多いでしょう。
甲状腺の病気は遺伝するのでしょうか!?
バセドウ病や橋本病(甲状腺機能低下症)などの甲状腺の病気は家族内で発症することが多くみられるため、患者さんとしては心配するところだと思います。
本では、
「バセドウ病や橋本病などは、病気の発症に何らかの遺伝的な要素があると考えられています。」と書かれていますし、
いくつか病院のホームページを見ると、やはり少なからず遺伝が関係するようです。
しかし、現在のところ明確にどの遺伝子が関与しているかは明らかになっていないようですので、
親がバセドウ病や橋本病で子供の発病が心配な場合は、首の腫れを注意してみるようにして、もし腫れがみられたら一度専門医を受診すると良いと思います。
んー 内容つまらないので…
ネコの写真でごまかそう
ブログって難しいですね