体外受精を受ける半数の方が・・・

国立成育医療研究センターはプレスリリースとして、一般の方にも研究結果を見られるようにしてくれています。
社会医学研究部の加藤承彦室長らの疫学調査の研究を、ここで紹介させていただきたい。
 
 
目的
高度不妊治療開始初期の女性のメンタルヘルスの状況を明らかにする
 
 
対象
体外受精などの高度不妊治療を受ける女性約500名
 
 
方法
治療開始初期(主にこれから治療を開始する方、採卵2回までの方)の調査参加者のメンタルヘルスやQuality of life(QOL:生活の質)の状況を分析
 

結果
軽度以上の抑うつ症状ありと判定された調査参加者の割合は54%
また、不安が高まっている状況と判定された割合も39%と高い割合
QOLを評価する尺度でも、社会生活機能や日常役割機能(精神)、心の健康の低下の傾向が見られた
特に、年齢が20歳代の参加者でメンタルヘルスの不調やQOL低下の傾向が顕著だった
 

考察
本研究の結果、海外先進国における知見と同様に、日本においても高度不妊治療を受ける女性の心の健康状態が悪化している可能性が明らかになった。現在、不妊治療における経済的側面への支援(保険適用)に関する議論が進んでいるが、不妊治療を受ける女性のメンタルヘルスに関しても支援が必要であることが示唆された
 
※評価には、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)と健康関連 QOL 尺度(SF-12)を用いる
 
 
ということで、一言で書くと
 
体外受精など高度不妊治療を受ける女性の約半数に、
治療開始初期の段階で、軽度以上の抑うつ症状がある。しかも、20歳代で多い。
 
 
 
 
鍼灸院に不妊症患者さんが来られる場合は、だいたい既に体外受精をされていて、
「なかなか妊娠できないから鍼灸やってみようかな」というパターンが多い。
 
ですので、鍼灸院に通う患者さんで調査したら、さらに抑うつ症状は強いかもしれませんね。
不妊治療をしている期間が続けば続くほど、疲弊してしまいますから。
 
実際、当院の患者さんでも不妊治療しながら心療内科に通っている方は少なくありません。
特にAIHから先に進むと、身体的・精神的そして経済的な負担はまったく別モノとなるはずです。
 
 
 
私はよく患者さんに
「身体に良いか悪いかで自分の行動を選択せずに、
好きか嫌いか、楽しいか楽しくないか、気持ちいいか良くないのか、そういうシンプルに感じることを大切に行動してみたらどうですか?」と言う。
 
これをすると卵子に良いって聞いたから、これを食べると着床しやすいらしい、これをすると妊娠率が…
そういうことだけを考えながら生活しているのは、さぞ疲れてしまうことでしょう。
 
 
心身一如、
体と心は繋がっていると考えれば、肉体だけでなく精神的に良いことも必要です。
脳を喜ばせることは、副交感神経を優位にし、ホルモンバランスも改善するでしょう。
 
 
自分の本能に素直に従って、日々の行動を選択してみてはいかがでしょうか。
 
そう、猫のように(^-^)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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