過活動膀胱②

ハロウィンの仮装が似合う日本人は多くないと、私は思います。

 

さて、
予告とおり今回は過活動膀胱の原因について書いていきましょう。

 

ただ今回は、筋肉やら神経やら難しい言葉が出てきます。
はっきり言って、読まれている皆さんは細かいことを覚える必要ありませんので
ささっと読んで、「ふーん そうなんだ」って感じで大丈夫です。

 

膀胱の機能は、尿を保持する蓄尿と排出する排尿です。

これらの機能は
膀胱の筋肉である排尿筋、
尿道壁の筋肉である内尿道括約筋、
それと尿道の周囲にある外尿道括約筋
この3つの筋肉が互いにうまく動いて行われています。

 

排尿筋と内尿道括約筋は意識的に収縮させることはできず、
外尿道括約筋は意識的に収縮させることができます。

 

そして、これらの筋肉は交感神経、副交感神経、体性神経によって支配されています。

交感神経排尿中枢から出た神経は、下腹神経を通り、膀胱と尿道を支配して
副交感神経排尿中枢から出た神経は骨盤神経を経て膀胱を支配しています。
体性神経中枢から出た神経は陰部神経を通って、外尿道括約筋に達しています。
さらには脳幹部の「橋」という場所にも排尿中枢があり、大脳の支配を受けます。

また尿道の周りには外尿道括約筋を構成するとともに骨盤の底を支える骨盤底筋群があり、
男性では前立腺もあります。

 
たくさん難しい名称が出てきて、嫌になると思いますが…
簡単に言えば
普段何気なく尿を我慢したり、排出したりしていますが
実はとっても複雑な仕組みが、うまーく、いい感じに働いて
用をたしている、というわけです。

そして、
これらの神経や膀胱周囲組織に疾患や異常がおこると、過活動膀胱になってしまいます。

過活動膀胱の原因は多くの神経や周囲組織が関与するために複雑ですが、
神経の疾患や障害が原因となる神経因性過活動膀胱と、
それ以外の非神経因性過活動膀胱に大きく分かれます。

 

神経因性は脳や脊髄の障害が原因となります。
脳梗塞や脳出血、パーキンソン病など多くの脳疾患では、
膀胱に少しでも尿が溜まると、排尿中枢が興奮して膀胱が収縮しやすくなり、
過活動膀胱になると考えられています。
また脊髄損傷や脊柱管狭窄症など脊髄に障害が発生すると、
腰の下の方にある中枢が興奮して膀胱が収縮しやすくなり、過活動膀胱になります。

 

非神経因性の場合は、下部尿路閉塞、骨盤底筋群の筋力低下、加齢などが考えられます。
下部尿路閉塞を引き起こす代表疾患は前立腺肥大症です。
中高年女性では、出産などのために骨盤底筋群が弱り、咳やくしゃみで腹圧がかかると、失禁しやすくなります。すると、腹圧性尿失禁で漏れてきた尿の刺激で膀胱を収縮する(と思われる)ため、尿意切迫感や頻尿などの過活動膀胱症状が併発することがあります。
過活動膀胱は、高齢になるほど多くみられる症状ですので、加齢とも関係があるとされていますが、原因ははっきりしないものも多くあります。

 

以上のように過活動膀胱の原因は多岐にわたりますが、
同様の症状を呈する他の疾患と正確に鑑別して適切な治療を受けることが重要です。

 

では、どうやって診断するのか
それはまた次回にしましょう。
まだまだ続く排尿トラブルシリーズ!

 

 

内容が固くて、おもしろくないので、院内の写真でも載せておきましょう。
最近、新しいラグを買いました。
フジパンのシール集めて、ミッフィーちゃんのブランケットもらいました。

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