過活動膀胱

すっかり涼しくなりましたね、朝晩は寒いくらいです。
こういうときに体調崩すことが多いので、皆さん気をつけてください。

 
さて、今日も私の好きな「排尿トラブル」について。

前回までは低活動膀胱など「尿が出にくい」状態について書いてきましたが、
今回からは「尿を漏らしそうになる、尿の回数が増える」などの症状がみられる
過活動膀胱について。

数年前くらいからテレビCMでも過活動膀胱という言葉が出てくるようになったので、
ご存じの方も多いかもしれません。
字からわかるように膀胱が過剰に収縮してしまうので過活動膀胱といいます。

 
2002年の国際尿禁制学会において
尿意切迫感を認め、通常頻尿や夜間頻尿を伴い、時に切迫性尿失禁を伴う症状症候群」と定義されています。

 
話しを進める前に、ちょっと説明。

尿意切迫感とは、急に起こる我慢できない強い尿意のことをいいます。
当然漏らしたくはないので、すぐにトイレに行かなければいけません。
そこで漏らしてしまうことがあれば切迫性尿失禁となります。
急に寒い場所に行ったり、水の音を聞いたり、冷たい水で手を洗ったりすると起こりやすくなります。また、高齢者や高血圧・脳梗塞などの循環器疾患をもつ方に多くみられます。

頻尿とは、昼間起きている間に尿が近く、何回もトイレに行かなければならい状態をいいます。
だいたい2時間以上排尿を我慢できなくなり、日中8回以上トイレに行くようなことが続けば頻尿と診断されます。

夜間頻尿とは夜寝ているときにトイレに行きたくて起きてしまうことをいいます。
1回でも起きることがあれば夜間頻尿ですが、2~3回以上起きるようになってから、苦痛と感じたり、病院を受診することが多いようです。
何度もトイレに行くことは睡眠のさまたげになるので、次の日の昼間に眠くなる、
夜中トイレに行って転倒して骨折するなど、夜間頻尿はQOLを低下させる原因になります。

 

話しを過活動膀胱に戻しますと…

突然強い尿意がして尿を漏らしそうになることがあり、
日中8回以上トイレに行ったり、夜間睡眠中に1回以上トイレで起きてしまう。
また、時にはトイレまで我慢できずに尿を漏らしてしまうことがある。
そんな症状が当てはまる方は、過活動膀胱の可能性があるということになります。

 

2002年の日本排尿機能学会の調査によると
40歳以上の日本人男女の12.4%に過活動膀胱がみられるとのことです。
また、40歳代では4.8%であるのに対し、80歳代では3人に1人(36.8%)ですので、
加齢に伴って増加する傾向が認められます。
調査されてから10年以上経っていますので、高齢化が進んだ現在ではさらに割合が高いかもしれませんね。

 

さらに
過活動膀胱の症状をもった患者さんは、実際に病院を受診する方が少ない疾患だということも調査でわかっています。実に約8割の患者さんは病院に受診されていないようです。
歳をとれば当然だとか、恥ずかしいというのが理由で、改善することを諦めている方や、症状を我慢している患者さんが多いのも過活動膀胱の特徴です。

 

特に女性は受診される方が少ないようです。
当院の女性患者さんにも、そういった症状がないか問診すると、多くのお年寄りの方が
頻尿や夜間頻尿の症状を持っています。
過活動膀胱は日常生活に支障を及ぼすことも多く、
たとえば「トイレが近くてバス旅行は行けない」とか「夜中にトイレで目が覚めるから熟睡できない」といった訴えをよく聞きます。

 

過活動膀胱は早期に適切な治療を受ければ改善する疾患であり、
QOLを向上させることは十分可能です。
症状を自覚したら、まずは病院を受診して適切な診断と治療を受けることです。
鍼灸治療もよく効きます。
恥ずかしがらずに、教えていただけると良いですね。

次回は、過活動膀胱の原因について書いていきましょう。

 

 
ところで…
おたく不妊専門とかいってる割には、全然不妊症についてブログ書いていませんね

これはこれ それはそれということで… お許しください!<(_ _)>

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