PGT-Aについて

連休明けで、憂鬱な方も多いのではないでしょうか(笑)

 

前回は胚の評価について書いたので、続きでPGT-Aについての内容です。

最近はPGT-Aを行う患者さんも増えてきたと思うので、ご存知の方も多いでしょう。

PGT-Aとは着床前胚染色体異数性検査のことで、通称「着床前検査」と呼ばれるもの。

 

卵子が採れた→受精卵になった→胚盤胞まで育った→子宮に移植する

という流れになりますが、移植する前に胚盤胞の細胞を少しとって、その細胞の染色体に異常がないか調べるという検査です。

胚盤胞まで進むと細胞は100個くらいあります。胚盤胞の細胞には、胎盤になる細胞と、胎児になる細胞があって、PGT-Aではその胎盤になる細胞のほうから5~10個の細胞を採って検査にまわします。

なぜそんな検査をする必要があるのでしょうか。

答えは簡単で、妊娠にいたらない、流産してしまう、その原因の多くが染色体異常だからです。

 

昔、理科や生物の授業で習ったかもしれませんね。細胞の核の中にある染色体には、遺伝情報がつまったDNAが折り畳まれていて、親から子へと受け継がれる情報が入っております。

ヒトの染色体は2本1組のものが22組あるのが普通ですが、

1本のモノソミー、3本1組のトリソミーというように本数に異常が起こってしまうと、ほとんどは生まれてくることができません。

そこで、胚を移植する前にPGT-A検査をして、あらかじめ染色体の異常があるかどうかを調べましょうね、ということ。

異常があるのに移植して、流産になってしまうのは不妊治療する患者さんにとって精神的に辛いだけではなく、時間もロスすることになるわけですから。

 

さて皆さん、どれくらいの確率で異常が見つかると思いますか?

言うてもそんなに確率高くないだろうと思うでしょうが・・・

若い人では、5~6割に異常が見つかります。

そして45歳頃になると、9割以上の胚に染色体異常がある、と言われています。

 

もう5年くらい前になるでしょうか。東京にある木場公園クリニックの院長先生の講演を聴いたことがあります。当時まだ他のクリニックで染色体の検査がそこまで行われていなかったと思いますので、私もとても興味津々で聞いていたのを覚えています。

そこで先生は、胚盤胞がいくつかできて「見た目はキレイな胚だし、これはいけますよ!」と喜んで検査に出したら、結果全て異常が見つかり移植までいかずショックだったというエピソードを話していました。

今やられている「人が目視で決める判定」では染色体の異常まではわからないんですよね、当然ですけど。「外見はきれいな胚」でも染色体異常が見つかることは決して珍しくないのです。

ちなみに、妊娠できない・流産してしまう理由の1位はこの染色体異常ですが、異常がない胚でも3~4割くらいは妊娠しないようです。検査に送った細胞には異常がなくても、移植する本体のほうに異常があった、というのが理由の一つでしょう。

 

少し長くなってきたので、続きはまた次回に。

今日が一番若い日です、行動しましょう!行動したら、何かが変わります。

妊娠しやすい身体づくりに鍼灸治療です!

 

 

 

 

 

 

 

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